僕らのStoryline
第10章 兄貴の恋
カウンターに二人で並んでラーメンを待つ。
「ねぇ、兄貴とさくまって付き合ってるの?」
「…それは、俺が答えてええの?」
「…」
「ラーメンお待ち!」
湯気のたつラーメンを二人ですする。
「うまっ」
「うん、うまい」
むかいこうじはスープも全部飲み干していた。
「腹タプタプや」
と、腹をさすっている。
「なぁ、俺変なのかな…」
むかいこうじの視線が俺に向く。
「…変じゃないやろ、兄ちゃんのこと気になるのは当たり前や」
何も話してないのに兄貴のことだって分かってしまって…気まづい。
「兄ちゃんのこと好きやから、大切やからそう思うんよ。それで、人間は欲張りやからそう思う相手には同じように思って欲しいって思ってまう。だけど、違う人間やからたまにすれ違うんよ」
「兄弟なのに?」
「兄ちゃんの言葉を信じたらええねん」
「うん」
そして、むかいこうじは俺のあたまを撫で始めた。
「可愛いなぁ~蓮くん!よしよし!よしよし!」
「やめろっ!なんだぁよ!」
ラーメン屋のカウンターで犬みたいに撫でられて恥ずかしかったけど、なんか、嬉しかった。