僕らのStoryline
第10章 兄貴の恋
こうじくんとラーメンを食べて、カラオケに行ってあれやこれやとのせられて歌わされた。
気がつくと、俺は「こうじくん」と呼んでいた。
こうじくんにも兄貴がいるらしく、俺の気持ちが分かる、と言ってくれた。
恋人が出来て、結婚して今度赤ちゃんがうまれるそうだ。
お兄さんが家を出ていくときもこうじくんは大泣きしたらしく今でも顔を合わせればその話をされるそうで恥ずかしいらしい。
「ただいま~」
家の中は静かだった。
だけど、玄関に兄貴の靴があって、その隣にもう一足靴がある。
なんとなく、音を立てないように家のなかをすすむ。
「うわっ、ビックリした!帰ってたの?」
兄貴が風呂場から出てきた。
「うん…風呂?」
「…うん、まぁ、蓮、飯は?」
「あ、こうじ…」
「ひかる~」
兄貴の部屋から目をこすりながら、佐久間大介がでてきた。
見れば分かる。
ヤってたって。
「ちょ、さくま!部屋もどれ!」
「うん?なんで?」
寝てたのか、佐久間大介はポヤポヤしてて、兄貴の言葉が頭に入ってこないみたいだ。
会話を聞けば分かる。
ヤってたって。
兄貴のロンTを着て、素足をさらけ出してる。
「蓮…あの…」
「れん?」
俺の名前を聞いたことで目が覚めたのか、頬を耳を赤く染めて部屋に戻っていった。