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砂場でセックスをした後

第1章 事件

 ベンチの椅子に座りながら、砂場の上で、服を脱いだ彼女の裸体をもう一度思い出してしまう。

 彼女の中と砂場に結局、僕は射精したが、まだ僕のペニスは勃起していた。

 本当ならもう少し愛情のある初体験がよかったなと思う。

「私、そろそろ帰んないと」

 京子は立ち上がって、砂を払った。

「じゃあ、一緒に帰ろうよ」

 僕も立ち上がり砂を落とした。シャツは砂と汗で汚れていた。

「まぁいいわ。私、あいつらのグループから抜けるから。たぶん明日から一人になると思う。もう卒業だからね。縁を切った方がいい頃だったかもしれない」

 僕はクラスで孤立していたが、彼らとの関係があって、他人と触れ合ってきたという事実はある。

 でも僕はあいつらに卒業するまでいじめられて、京子は一人で過ごすことになるだろう。

 もしかしたら京子も僕のようにいじめられるかもしれない。

 僕はストレスをいつも抱え込んでいた。

 でも高校生になればそんな現状も変わるかもしれない。
 
 僕らは住宅街の暗がりの中を歩いた。

 人は通っていなかった。

 街灯の明かりが地面をまばらに照らしている。

「ねえ、ところで、私とのセックス気持ちよかった?」

「まぁ。ちょっとそれどころじゃなかったけどね」

「明日、私の家に来てもいいわよ。私の家、お母さんしかいなくて、昼間は仕事に出かけてるの。私も一人で過ごすよりはあんたがいた方がまだいいわ」

「わかった」

 僕らはそう約束して別れた。

 彼女は僕に手を振っていた。

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