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砂場でセックスをした後

第1章 事件

 翌日の学校はいつもと少し変わっていた。

 僕をいじめていた六人組は五人に減っていた。

 京子は僕より前の方に座り、机に突っ伏していた。

 誰も彼女には話しかけなかった。

 五人は窓際で何かを話していた。
 
 学校が終わるまでそのような状況は続いた。

 他のクラスの人たちはグループに起こった変化について気づいていないようだった。
 
 五人は学校が終わると、教室からすぐに出ていった。

 京子は席から立ち上がり、僕の方へやってきた。

「ねえ、一緒に帰ろうよ。今日は私の家に来る約束でしょ?」

 京子は何事もなかったかのようにそう言った。

 隣にいた女子のグループが不思議そうに僕らを見ていた。

 僕はこのクラスに親しい友人はいないし、僕へのいじめはクラスの全員が黙認していたのだ。

 だから京子が僕に親し気に話しかけているというのは奇妙な印象を与えたに違いない。

 僕らはバッグを持って、教室を後にした。

 廊下にはたくさんの生徒がいて、それぞれ何かについて話をしていた。

 体育教師が教室から出てくるのが見えた。

 窓の外には緑色の葉をつけた木々が風に揺れていた。

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