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学校の七不思議

第2章 人体模型

 私たちは息を潜めて、ジッとその音が去っていくのを待った。


「カシャカシャ」
「カシャカシャ」
「カシャ……」


 しかし最悪なことに、その音は私たちがいる一年生の教室の前で止まった。
 私は思わずカレンちゃんの手をギュッと握る。カレンちゃんの手は思ったよりもヒンヤリしていた。


「カレンちゃんっ……」

「大丈夫よ、カレンが見てくるわ」


 そう言うとカレンちゃんはモゾモゾと机の下から這い出ると、大胆にも教室のドアをガラリと開けた。


 私は怖くて目を瞑った。
 でもカレンちゃんの笑い声で目を開けた。


「なあんだ、音の正体はあなただったのね」


 カレンちゃんが誰かに話しかけている。
 恐る恐る机の下から顔を出して覗くと、廊下に立っていたのはなんと人体模型だった。


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