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学校の七不思議

第3章 探し物

 私は教室を出ると駆け足で階段を下りた。
 私の足音がパタパタと響く。


「ねえ、ユキちゃん」

「!?」


 突然、耳元でカレンちゃんの声が響いたから心臓が跳ねた。


「なっ……なに?」


 振り返ると、カレンちゃんが後ろにいた。
 たぶんずっと私のあとをついてきているんだろうと思ったけど、まさかこんなすぐそばで声が聞こえるなんて……。


「カレンね、鈴をどこかに落としちゃったみたいなの」

「鈴?」

「ママからもらった大事なものなの。なくしたってわかったら、ママ悲しんじゃうわ」

「そ、そうなんだ……」


 そういえば学校の帰り道、カレンちゃんが私に話しかける時はいつも鈴が鳴っていた。


「一緒に……探す?」


 私はいちお心配する素振りを見せる。
 でも本当はすぐにでも帰りたかった。
 それを察してか、カレンちゃんは首を横に振った。


「一人で探すわ。だからここでお別れね。少しの間だったけど、ユキちゃんとの七不思議冒険楽しかったわ、ありがとう」


 そう笑顔で言うと、カレンちゃんは階段を駆け上がっていった。



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