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学校の七不思議

第4章 トイレの花子さん

「あっ……」

「どうしたの?」

「……」


 どうしよう。
 安心したらトイレに行きたくなってしまった。できれば家まで我慢したいけど、我慢出来なさそう。


「もしかして、トイレ?」

「……うん……」

「我慢しちゃだめよ。膀胱炎になっちゃうわよ。カレンもついていくからトイレに行きましょ」


 カレンちゃんはまるで大人みたいなことを言う。私と手を繋ぐと、近くにあるトイレまで連れていってくれた。


「ランドセルはカレンが持ってるわね。ごゆっくり」

「本当にここにいてね? いなくならないでね?」


 私はニコニコしているカレンちゃんに少し不安を覚えながらも、四つある一番奥の個室へと入った。

 もう我慢できなかった。
 用を足すとホッと息を吐いた。


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