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学校の七不思議

第4章 トイレの花子さん

 すぐに個室から出れば良かったんだけど、なぜか急に身体が金縛りにあったかのように動けなくなってしまい、声も出すことができなくなってしまった。


 そうこうしているうちに、入り口から近い個室のトイレから順にノックする音が響いてきた。


 コンコンコン
「花子さん、遊びましょう」

 コンコンコン
「花子さん、遊びましょう」

 コンコンコン
「花子さん、遊びましょう」


 そしてついに私がいる四番目の個室の番になった。私は目を瞑り、気づかれないように息を止めた。


 コンコンコン
「花子さん、遊びましょう」
「…………」


 辺りはシーンと静まり返る。
 私は気づいてほしいような、気づいてほしくないような、そんな複雑な気持ちになった。


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