不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第21章 オムライス
「……ごめん、つい油断した。…あぁ言うしかなかった」
「ううん、大丈夫。…だけど、瀬川くんこそ大丈夫?」
「うん。まぁこっちに家族とか友達が来ること無いし、なんとかする」
「うん……。あぁ、びっくりした。」
「俺も(笑)」
「あっっ!!アイス食べたい!」
「いきなりだな(笑)しかもこの寒い時期にアイス?」
「瀬川くんち、暖房で暖かいからいいの~(笑)」
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食材を買い込むと、また彼のアパートへ帰る。
少し仕事をするために瀬川くんに断ってからパソコンをひらいて作業を始め、1時間くらい経った頃に温かいコーヒーを持ってきてくれた。
「ん。ミルクたっぷり入れた」
「わぁ~!ありがとう。あったかぁい…」
一息つくと瀬川くんが私を見つめている。
「どうしたの?」
「いや…また会えなくなるから。しっかり見とこうと思って?(笑)」
「……寂しいこと言わないで」
そう言って彼にすがり寄ると、抱き寄せてキスしてくれる。
「また…来てもいい?」
「うん。ずっといてもいいよ」
真顔で言う瀬川くんに私は少し笑って、オムライス作りに取り掛かることにした。