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不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―

第24章 それぞれの事情



自宅のドアをあけ中に入ると、フミはリビングでゲームをしている。


出発前に作っておいた夕飯のおかずはいつもどおり食べてあり、流しに食器が置かれている。


離婚という言葉を投げかけたら、フミはどんな顔をするだろう。でも私には言えなかった。まだ…




私はまた、仕事部屋でブランケットに潜り込む。



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次の金曜日、

[明日は昼過ぎにはそっちにいるから。時間あるならどっか行こう]

と瀬川くんからのメッセージが入った。




翌日私は薄手のニットに丈の長い上着を羽織り、瀬川くんとの待ち合わせ場所に急いだ。



地元の駅から3つ離れた駅前のロータリーに彼の車を見つけ、小走りで駆け寄ると運転席には私の逢いたかった横顔がある。




助手席に乗り込むと、瀬川くんは当たり前のように左手を差し出す。手をつなぎ、車が発車した。




「飲み会の待ち合わせは19時だから、それまで何する?どっか行きたいとこある?」


「うーん…なんだろうな?あっ、今あの映画がキレイな映像にリメイクされて上映してるよね!あの映画大好き。瀬川くん見たことある?」


「あぁ、あれね。すげぇ有名作だけど、俺観たことない(笑)観に行く?」



誰もが知る有名な作品で、豪華客船で出会った男女が恋に落ちるが船は沈没してしまうという昔の映画だ。



私たちは、映画館が入っている大きなショッピングモールへと向かった。




「次は…15時55分からか。ちょうどいい時間に終わりそうだな。どっかで時間潰そう」



瀬川くんは映画のチケットを買い、2枚とも財布へしまう。



「ありがとう」


「なに今さら(笑)」




私たちはモール内をぶらぶらと歩き出し、雑貨屋やアウトドアショップを適当に見て回った。




ジュエリーショップの前を通り過ぎる頃、瀬川くんは足を止める。



「どうしたの?」


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