不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第26章 楽しいランデブー?
「私ね……結婚しててこんなこと言うのおかしいけど、瀬川くんのこと…好きなの」
「ほらやっぱりっ!分かってるよぉ(笑)明日瀬川くんも来るんでしょう?会えるじゃん、やったね♪」
なんだそんな事か、といったようにアンナは荷物の整理を再開する。
「そうじゃなくてね…、もう……えっちもした」
アンナは硬直した顔で私を見て、そのまましばらく固まってから、「えええええええ」と悲鳴を上げた。
「いつ?!なんで?!どういう事?!」
------
私が一通り話すと、アンナは冷蔵庫から缶チューハイを取ってきて手渡してくれる。
「とりあえず、飲もう。信じられないよぉ、2人がそんな事になってたなんて…」
私たちは缶と缶を軽くぶつけると、ゴクッとそれを飲み込む。
「フミさんとは…別れるの?」
「もう、4ヶ月…喋ってないの。このままじゃダメって分かってるんだけど、なかなか…」
「でもさ、瀬川くんと紀子がもし離婚しても、追いかけてミライもすぐ離婚、ってなるのはちょっとアレだよね。フミさんとの事もおろそかにできないでしょ?」
「うん、そうだね…。冷静に考えてみるよ」
「だね…。でもまぁ、明日はとりあえず楽しもうね?!浴衣で写真撮って、射的やって、たくさん飲むんだ~!」
空元気にも見えるアンナは、まだ残っているチューハイをそのままにソファで眠ってしまった。
-----
翌日、アンナの家のリビングで目が覚めるとアンナも起きたようだった。」
シャワーを浴びて2人で肩を並べ、化粧をする。
「なんか昔に戻ったみたい!こうやって化粧の練習したよね、100均の道具で(笑)」
「あ~、したした!懐かしい(笑)」
化粧が終わってアンナがドライヤーをしている頃、瀬川くんからメッセージが入った。
[ おはよ。迎えに行く。駅でいい?]
私はアンナの家に泊まっていることを伝える。