不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第26章 楽しいランデブー?
結局、住所を伝えて近くのコンビニまで迎えに来てもらう事になり、アンナと最後の忘れ物チェックをしてから玄関を出た。
「2人の関係聞いたら私、なんだか瀬川くんの顔見れないかも…(笑)」
「普通にしてて(笑)知ってるのバラ組と平野だけだから。ケイには会ってないからまだ言ってないけど」
「平野も知ってるの?あの2人、昔から仲良いもんねぇ」
コンビニに停まっている瀬川くんの車を見つけ、胸が高ぶる。
ちょうど自動ドアから出てきた瀬川くんは、「よぉ」と片手を上げると私たちにペットボトルのお茶を手渡してくれる。「ありがとう~!」アンナと後部座席に乗り込む。
「ミライ、助手席じゃなくていいの?」
「シーーッ!」
こそこそ話す私たちを、瀬川くんがバックミラーでチラッと見て目が合った。
「今からどうするの?直行?」
アンナがわくわくした様子で聞く。
「コウヘイ迎えに行ったら高速乗るよ。サービスエリアで平野たちの車と待ち合わせ」
車が動き出す。
「私あそこのサービスエリアに売ってる味噌田楽、だいすき(笑)」
私が言うと2人はケラケラ笑う。
「ミライ、おばあちゃんなの~?!…まぁ、私もあれ好きだけど」
「好きなんかい(笑)」
1軒のアパートに着き、コウヘイくんが眠そうにこちらへやってくる。
「おはよぉ~~~」と助手席に乗ると、再び車は走り出した。
「そういえば…綾香ちゃんも来るみたいだよ。コウヘイくん(笑)」
「ひぃい~~~。おそろしい~」
コウヘイくんが身震いをするような仕草をすると瀬川くんもふふっと笑う。
「え、なになに?綾香ちゃん、なんかあるの?!」
アンナは興味津々で身を乗り出している。
「綾香ちゃん、コウヘイくんの事お気に入りなの(笑)」
「えぇ~~マジでぇ?なんで?同窓会で会ってから??」
「そうみたい。かなりラブな視線送ってたよね!」