不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第26章 楽しいランデブー?
「俺…綾香ちゃんコワイ」
「あはは!でも、案外お似合いかも?綾香ちゃんのペースにコウヘイくんが乱されてる感じが微笑ましくもある(笑)」
私が言うと、コウヘイくんは「いやいや…ないない!!」と、顔の前で手を左右に振る。
「綾香ちゃんってそんなに積極的なんだぁ~!ほんわかしてて可愛い感じなのに意外!」
「ね、可愛いよねぇ。可愛くて積極的ってもう最強じゃん…!」
私たちは綾香ちゃんの可愛さについて盛り上がる。
「俺は苦手だけどなぁ…そういう俗に言うブリっ子みたいなの?俺ダメ」とコウヘイくんが言うと、
「俺も(笑)」と瀬川くんも笑う。
「まぁ確かにミライはブリっ子のブの字もないもんねぇ~?」ギャハハ、とアンナが笑う。
一瞬車内が静まり返り、アンナは”やばっ…”という顔をする。
「アンナ?!何いきなり言ってるの?大丈夫?!」
すぐに私がフォローすると、
「えっ…いや、だから、バラ組にはブリっ子は居ないよねって話!綾香ちゃんみたいな子って意外とモテないのかぁ~!」
とアンナもむりやり話を変える。
「俺はミライちゃんみたいな子がいいからな~。まぁバラ組さんはある意味こわいけどね…」
何食わぬ顔でコウヘイくんが言う。
アンナがおどけた可笑しな顔で私を見ている。
「バラ組はコワイよ~?特に紗奈とかね(笑)」
私は話をそらすように言う。
ケラケラ笑うアンナをよそに、バックミラーで瀬川くんを見ると彼は少し険しい顔で運転を続けている。
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待ち合わせのサービスエリアに着くと、平野たちの車はもう到着していた。
それぞれが店内や喫煙所に散ると、私はアンナと味噌田楽を買いに行こうと車を降りる。
「私トイレ~!ミライ、私の分も買ってきてぇ~!」
と言ってアンナは早足でトイレへ向かった。
瀬川くんは車を降りて鍵を閉め、ふと私を見る。
「瀬川くんも味噌田楽たべる?」
「…お前がそんなに好きなもんなら興味はある(笑)」
私たちは一緒にお店へ向かった。