不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第27章 お茶の時間
「ちょっと安すぎない?!もしかして幽霊出るとか…?いやぁ~!!」
アンナが騒ぐと、平野はへらへらと笑う。
「いや、男が多めに払ってるんで(笑)女の子は来てくれるだけでホントは嬉しいんだけど…、ごめんね、3,000円だけ負担お願いします!」
「ほんとにいいの?なんかいつも申し訳ないなぁ…」
「いいのいいの!もう集金しちゃったし!……はい、確かに6,000円ね。」
「3,000円なんて、ラッキー!!」
アンナははしゃぎながらお茶をすする。
「おっ!いいねぇ和室でお茶。よかったら大部屋でも淹れてあげてくれない?俺ら絶対誰もそういう事しないから(笑)」
「もちろん!」
私とアンナは平野のうしろをついていき、大部屋に入る。
「みなさ~ん!綺麗どころを連れてきましたよ!お茶にしましょ~」
平野が冗談交じりに言うと、「お!いいねぇ!」と声が上がる。
「思ってないでしょ?!」「ごめんね、同級生で(笑)」
私たちは笑いながらみんなと言葉をかわす。
すぐに背の高い瀬川くんを見つけ、彼もこちらを見て目が合う。
お互いに微笑んだ後、さっそくアンナと一緒にお茶を用意する。
「俺、手伝いまーす!どう?俺やさしいっしょ?」
とコウヘイくんが言うと室内がワッと盛り上がる。
アンナが人数分の湯呑を用意し、私は大部屋用の大きな急須に茶葉を入れる。
「そんなちょっとでいいの?」コウヘイくんが言い、
「うん…多分このくらいで良いと思うけど、もっと濃くしたい?」
と答えると
「もうコウヘイ、お前は黙ってろ!お茶がまずくなるだろ(笑)」
と誰かが言ってコウヘイくんはまたおちゃらけた表情をする。
「俺なにしたらいいの?!」
「じゃあ、これ湯呑に入れていって(笑)ちょっとずつね」
「うん、わかった!」
「あっ、フタ、押さえて…そうそう、そのくらい。で、次。」
「えっ、これだけ?」
「順番にこうやって…2~3回に分けて…」
「ほほ~~!」
やけに楽しそうにお茶を入れるコウヘイくんに、「なんでこいつこんな頑張っちゃってんの?(笑)」と誰かが言うと、
「コウヘイはミライちゃんの言うことならちゃんと聞くんだよね(笑)」
と平野が答える。