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不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―

第28章 花より団子



「ふふっ、仲良かったもんね。コウヘイくんと3人で。」



「なになに?俺の噂話~~??!」

いつの間にかそばに来ていたコウヘイくんが元気な声で言った。




綾香ちゃんは事あるごとにコウヘイくんの洋服の裾を可愛く掴んだり、ちょっかいを出したり、とにかくそばにいた。



川沿いをしばらく散歩してから、そろそろ旅館へ帰ろうと平野が言う。




「ミライ、少し早いけど温泉入ろうよ!そんで浴衣で写真撮ろう!」

「いいね、少し冷えてきたし入っちゃおっか。」



私たちが盛り上がっていると、
「じゃあ俺らも温泉入ろうか。な、瀬川?」
「うん、そうだな」
と平野と瀬川くんも話している。




それを聞くと綾香ちゃんも、

「じゃあ私も入る~♪温泉上がったら、浴衣着て男子の部屋に遊びに行くね~!」

とウキウキしている。コウヘイくんは愛想笑いをした。




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宿に戻り、私たちはそれぞれ解散した。

浴衣を持ってアンナと大浴場へ行くと、湯気の向こうに立派な石畳が見える。



「すごぉ~い!泳げちゃうね!あっ、露天風呂もあるよぉ」


「ほんとだ!アンナ、昔バラ組で旅行に行ったとき露天風呂でバタ足して紗奈に怒られてたよね(笑)」


「あぁ!なつかしい~~(笑)今日は平泳ぎにしとく!紗奈がどっかで見てるかもしれないし」



私たちが懐かしい話にケラケラ笑いながら浴場へ入ると、石風呂の湯船には綾香ちゃんたちがすでに入っていた。



「あ、やっほー!」

可愛らしい笑顔で綾香ちゃんに手を振られ、挨拶を返すと私とアンナは身体を洗う。




湯船に浸かると綾香ちゃんたち3人もこちらへやってきて、みんなで談笑する。




「綾香ちゃん、すごい積極的で驚いたよ。こんな可愛い子に迫られたら、普通は落ちちゃうよね~」

アンナが言うと、綾香ちゃんは嬉しそうにはにかむ。



「えへへ。……でも…、コウヘイくんはミライちゃんのことがすごい気に入ってるよね。なんだか自信なくしちゃうなぁ…」



「アハハ!大丈夫、大丈夫。ミライはコウヘイくんに、ゼ~ンゼン興味無いから!(笑)」



「…ほんと?」綾香ちゃんが上目遣いで私を見る。



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