不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第30章 宴
しばし談笑すると、綾香ちゃんは切なそうにコウヘイくんの方を見る。
「…あっちにお酌でもしに行く?」
「うんっ!行こう♪」
たちまち嬉しそうに立ち上がる綾香ちゃんは純粋に可愛い。
2人で席を離れ、瓶ビールを持って男子たちの方へ向かう。
すでに半分くらいの人が席を離れて盛り上がっている中、コウヘイくんたちの取り巻きに「おじゃましま~す!」と入っていく。平野や瀬川くんも一緒だ。
「お酌しに来ました(笑)」と言うと、「よっ!お嬢!」と平野が言い、コウヘイくんも嬉しそうに拍手をする。
平野はさりげなく座る場所をあけてくれて、私は平野と瀬川くんの間に腰をおろす。
綾香ちゃんはもちろんコウヘイくんの隣だ。
飲んで飲ませてのどんちゃん騒ぎが始まり、終始笑いが絶えない。
「…こんなに側にいてばかりで良いのかな?」
私がそっとつぶやくと、「楽しまなきゃね♪」と平野が答え、
「俺はお前と2人っきりが良かったけどね(笑)」
と瀬川くんが笑う。
「なぬ~?聞き捨てならんなぁ?!おい、瀬川~!」
平野がそう言いながら瀬川くんにお酌をすると、彼はそれをグビッと飲み干した。
アンナはマグロの舟盛りの周りで、とても愉快そうに男子たちと騒いでいる。
しばらくして、平野が立ち上がり手を叩く。
「みなさ~ん!!お待ちかねのビンゴタイムにしましょ~!」
そう言ってそれぞれにビンゴカードを配っていく。
私とアンナも壇上に行き、ビンゴの準備をする。
「じゃあ始めまーす!まずは……」
小さな球の入った道具をアンナがジャラジャラと回し、番号を告げていく。
ぽつぽつとビンゴが揃う人たちが出てきて、景品に盛り上がる。
テーマパークのチケットや抱き枕など、上位には豪華なものが揃っていた。
コウヘイくんが「ビンゴー!!」と叫ぶと、「私もビンゴだ~!」とアンナも立ち上がる。
平野が袋から景品を出し2人に手渡すと、
「ちょっとー!なにこれぇ~(笑)」
「抱き枕からのコレ?!なにこのえっちな並びの景品!」
2人が景品を皆に見せる。
それは可愛いデザインのコンドームで、会場にはゲラゲラと笑いが起こった。