不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第33章 止めどない欲望
「おい、チューなしってアンナちゃんが言ったのになんでだよ~!!(笑)」
平野が言うと、
「私が王様のときはイイんだよ!」とアンナは腕を組んで鼻を膨らめる。
「マジで王様じゃん(笑)覚えてろよ~(笑)」
結局、平野とコウヘイくんがキスをするというおかしな展開になり、2人は笑いをこらえながら一瞬唇を当てた。
ギャーギャーと声が上がり、「盛り上がってきました!」と平野が次のくじ引きを皆に引かせる。
頭がボーッとしながらへらへら笑っていた私も、これまでどおりクジを引いた。
次は平野が王様で、
「また平野かよ~~」と声が上がる。
「アンナちゃんがOKなら俺だって良いよね?!よし、誰にチュウさせようかなぁ~(笑)」
とニヤニヤ笑う。
「ちょっと~、マジでやめて!私以外にしてっ!」
アンナは両手を合わせて拝むポーズをする。
「じゃあね~、1番と…3番がチュウ!!」
一瞬の沈黙の後、「俺3番っ!」とコウヘイくんがクジを皆に見せる。
「えっ」綾香ちゃんが声を上げ、「私1番~~!!」と言って1と書かれた割り箸を頭上に持ち上げた。
「マジで~~!!綾香ちゃん、願いが叶ったじゃん!(笑)」
アンナが言うと、綾香ちゃんは嬉しそうにコウヘイくんを見る。
「ほら~コウヘイ、早く~!」
平野が煽ると、コウヘイくんは仕方なさそうに綾香ちゃんにチュッとキスをした。
「フゥ~~~ウ!!」
アンナが甲高い声を上げ、私たちは皆で拍手をする。
綾香ちゃんはうっとりとした表情でコウヘイくんに寄りかかった。
クスクスと笑いながら、瀬川くんは私の太ももをすりすりと指で撫でる。
私は酔っているからか、くすぐったいのと心地良いのとで少しだけピクリと反応してしまう。
瀬川くんはすぐにそれに気付き、私にしか聞こえない声で「ん?」と耳元でささやいた。
みんなで楽しく遊んでいる最中なのに、下半身がうずうずして仕方ない。
瀬川くんの言動がわざとなのかそうでないのかは分からないけれど、お酒のせいか何だか無性に甘えたくなってしまう。
そんな私をよそに、平野は次の王様ゲームを始める。
「はい、引いて~~!!」
「「王様だ~~れだ!」」