不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第33章 止めどない欲望
「あっ!私だぁ♪」綾香ちゃんがとろんとした目で言う。
「じゃあ、うーんとねぇ…あっ♪良いこと思いついた!2番が、5番に…テキーラの口移し~~!!」
「…これ男同士だったら笑えなくね?(笑)」
平野がふざける。
私が引いたのは5番で、もしコウヘイくんや平野に当たったらどうしよう、と思いながら、「私…5番…」と言った。
すぐ後ろから「俺2番(笑)」と瀬川くんの声がして、ドキンと心臓が鳴る。
「お~~い~~瀬川~~!なんか仕組んだだろ!!」
コウヘイくんが納得の行かない様子で瀬川くんを指差す。
「なんもしてねーよ(笑)」
瀬川くんは2番の割り箸を皆に見せる。
「ヒュウヒュウ~~!!大人の口移し、見せてくださぁ~い!」
アンナも両手を叩いて騒ぐ。
「これは王様の命令ですから!やるしか無いねぇ~瀬川~(笑)」
平野の言葉に、瀬川くんも「しょうがねえな~、見てろよ(笑)」と悪ノリする。
彼はうしろから私の顔を覗き込み、小さな声で「いい?」と聞くので私が頷くと、おちょこに入ったテキーラを口に含む。
「わぁ~!」
「おぉー?」
と、周りから声が上がる。
瀬川くんは私のあごをそっと支え、優しくキスをすると少しずつテキーラが入ってくる。
コクリとそれを小さく飲み込むと、私の口からこぼれ出しそうになったそれを彼がぺろりと舐め取り、ちゅるり…と下唇を吸って顔を離す。
最後に、私の唇の端を濡らすテキーラを指で拭った。
そのキスに、その視線に…みんなの前にも関わらず、私のいやらしいところが疼いてしまい、とてつもなく恥ずかしくなる。
「ちょっと…ちょっとぉ~?!えっちすぎぃ~~!!!」
すぐにアンナが叫び、バタッと倒れる仕草をする。
「これは卑猥すぎ、瀬川!(笑)」と平野も盛り上がる。
キャーキャーと手で目を覆う綾香ちゃんの隣で、コウヘイくんは「やりすぎじゃん…?」とすねた顔をしている。
頬が熱く火照り、頭がクラクラする。
「もう、飲めましぇーん。。。(笑)」
私が少しおどけて言うと、
「ミライちゃん顔赤いし、だいぶ酔ってない?まぁ…みんな赤いけどね(笑)」
平野が笑い、
「少し休むか?」と瀬川くんが言う。