不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第36章 反省会
「ここで一旦解散…なんだけど、夜はあそこの居酒屋予約してあるんで!来れる人は反省会ね!(笑)」
平野が言う。
結局ほぼキャンプの打ち合わせメンバーと同じになったが、私も含め6人は居酒屋へ向かった。
店に入り座敷へ案内されると、「お前、奥行きな」と瀬川くんにそっと言われ私は一番奥へ腰を下ろした。
隣には瀬川くん、その隣には平野が座る。
向かいにはアンナ、コウヘイくん、綾香ちゃんが座り、反省会という名の飲み会が始まった。
飲み物を注文するとそれぞれに喋り出し、アンナは牧場で買った自分へのお土産、うさぎのキーホルダーを出して盛り上がる。
「瀬川くん、今日も泊まりなの?明日休み?」
そっと耳打ちするように問うと、
「うん。春休みの代休で今月と来月はイレギュラーな休みがあるんだよね」
と答えながらメニューに目を落としている。
「春休みでも先生はお仕事かぁ。」
「ふふっ。お前は?明日仕事?」
瀬川くんはメニューからこちらへ視線を移す。
旅館を出てから半日ぶりに隣同士で見つめられ、昨夜の甘い匂いが蘇る。
密着している太ももがあたたかい…。
「…おい?聞こえてる?」
ついボーッと瀬川くんを見つめていた私は我に返る。
「あっうんうん、明日はえぇっと…そう、午後から打ち合わせで。この近くのお店なの」
「そうなんだ。じゃあ今日泊まり?帰るの?」
何気なく聞かれた質問と分かってはいても、なにかを期待してしまう。
「んーっと……」
「お待たせしました~!生ビールのお客様-…」
私が返事にもたついていると飲み物が運ばれてきてしまった。
全員で乾杯し、
「いやぁ~本当お疲れさまでした。楽しかったね、温泉旅行!」
と平野が言うと、
「楽しかったぁ~~♪また行きたぁい♪」
と綾香ちゃんがはにかむ。