不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第36章 反省会
「ほんと、お湯も気持ちよくて肌つるつるになった気がするね(笑)」
私が言うとアンナは自分の腕をさすりながら、
「ほんとほんと!あぁ~すべすべ~!」
と頬ずりするので皆で笑った。
「ミライちゃんはいつでも肌つるつるじゃんねぇ!」
コウヘイくんが言い出し、
「出たっ!コウヘイのミライちゃん褒め(笑)」
と、すかさず平野がツッコミを入れる。
「おい、私は?」とアンナが言い、綾香ちゃんも「ねぇ~すぐミライちゃんのことばっかり褒めるんだからぁ~!」と盛り上がっている。
クスクス笑っていた瀬川くんが再びこちらに視線をやると、私の心境を探るようにじっとりと見つめる。
「な、何…?」
「いや、別に。それでお前、今日は帰るの?」
「ホテルとかは取ってないから…帰る、かな?」
「そっか。今日は子守唄なしか(笑)」
「子守唄なんて歌ったことない~~!(笑)」
2人でワッと盛り上がると、
「ちょっと、2人で盛り上がりすぎ~!」
と声が上がりまたみんなでおしゃべりを楽しんだ。
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飲み始めて2時間が経った頃、すっかり私もみんなもほろ酔いでぐだぐだとトークが続いていた。
笑った拍子に瀬川くんの背中をそっと叩いたり、太ももに手を置いたりすると、彼は
「…お前、酔うと可愛くなるのな」
とささやいて私の手をそっと握った。
「…普段は可愛くないみたいじゃない(笑)」
私が言うと瀬川くんは手の力をぎゅっと強め、「怒るよ?(笑)」とおどけた。
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瀬川くんと平野の後ろをなんとか通り抜けてトイレへ向かい、用を済ませ通路へ出るとそこではコウヘイくんが壁に寄りかかってこちらを見ていた。
こんな展開、前にもあった…。
私はわざと気に留めない素振りで「どうしたの?」と聞く。
「あのさ。…風呂で見たよ。瀬川に付いたキスマーク」
コウヘイくんは切なそうに笑う。
「えっ……」
やっぱりバレていたんだ、どうしよう…
なんて答えたら良いんだろう…
私は激しく動揺し、目は勝手に左右を泳ぐ。