不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第6章 再会
ーーーシャランッ
アップルに入ると、紗奈とマスターが談笑している。
紗奈が私に気付いて片手を上げると、マスターも私を見てニコッとする。
お馴染みのテーブル席へ腰掛けると、紗奈が黒っぽい小さな紙をヒラヒラさせる。
「立派なモン、ついてました〜!」
「やっぱり男の子~~!紗奈は男の子を産むってさんざん言われたもんね(笑)」
「ほんと、バラ組の予想通りで笑ったよ〜」
お腹にいる赤ちゃんのエコー写真だった。
子供の父親についてはバラ組のメンバーも詳しくは知らないし、紗奈が打ち明けるまでは誰も突っ込みそうもない。
どっかの社長とはチラッと聞いたけれど、私もほとんど何も知らない。
エコー写真を眺めていると、アンナと奈美もやってきた。
「やっほぉ〜!もう、外寒すぎっ!マスタぁー、あったかいの飲みた~い!」
今日も明るいアンナが話しかけると、マスターはメニューを持って奥から出てきた。
「ねぇ、男の子だってー!」
ニタリと笑いながら私が言うと、アンナと奈美は「やっぱり〜!」「絶対男の子だと思ったもん!」と盛り上がる。