不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第6章 再会
「もうちょっとしたら行かないとね!だれか詳しい場所わかる?」
奈美が携帯で、同級生のグループチャットを確認しながら言う。
するとたまたま近くにいたマスターが、「なんていうお店?」と聞いてきた。
「そうだよ、マスターに聞けば絶対分かりそうじゃん♪」
アンナが携帯の画面を見ながら、お店の名前をマスターに伝える。
「あぁ、それなら…ーーーーー」
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どうやら今日の会場であるカジュアルバーは、焼き鳥屋の隣にあるらしかった。
アップルを後にした私たちはマスターに聞いた道を進む。
「それにしても寒い〜〜!」
今日は風が、なんだか強めに吹いている。
あと数日で12月になるのだから、当然それはキンと冷えている。
今日は忘れずにマフラーも巻いてきた。手触りが気に入っているワインレッドのマフラー。
「ねぇねぇ、みんなどうなってるかなぁ?歳取ってるかな?!全員結婚してたりして〜〜?!」
アンナがはしゃいでいる。
「まぁそりゃ、歳は取ってるだろうね。みんな30歳なはずだから(笑)」
私が言うと、
「全員結婚してるって事はないでしょ〜、その発想、意味が分かんないよ(笑)」
と奈美も笑う。
強い風に吹かれて、みんな髪の毛がわしゃわしゃになった頃、それらしきバーを見つけた。
「これかな?」
みんなで髪を直しながら、看板を見上げる。
するとガラスの扉の向こうに平野が見えて、目があった。
「お〜!バラ組さん、いらっしゃいませぇ〜(笑)」
ご機嫌な平野が店の外まで迎えにやってきた。
ついに同窓会が始まる…。
ひそかにドキドキしながら、4人そろって店に入る。