不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第2章 同窓会の知らせ
私は仲良し5人組、通称『バラ組』のトークルームをひらいた。
[みんな、同窓会いく〜?サナは顔出す程度だけど、私は行こうと思ってるよん!]
バラ組というのはあの美しい”薔薇”の事ではなく、出身の小学校が"バラバラ"だからというバラ。
私とサナは同じ小学校だけど、ほかの3人はみんなバラバラだ。
いつのまにかこの仲良しグループについた名前で、中学生だった当時から私たちのことをバラ組と呼ぶ同級生も少なくない。
まずはアンナから返事が返ってきた。
[えっ!ミライ行くの〜?!じゃあ私も行こっかなぁ(ハート)]
アンナは明るくてひょうきんな子。
でもその明るさの裏には色んな悩み事や家族の不幸もあって、ここ1〜2年でかなり痩せてしまった。
最近はまた元気を取り戻したみたいだし、久しぶりに一緒に飲めるのは嬉しい。
「アンナ来るって!」
「お!いいねぇ。あと2人♪あと2人♪」
いつしか同窓会ということを忘れたかのように、バラ組で集まれることに紗奈とテンションが上がる。
残りの2人からの返事はこうだった。
ケイ
[私は子供のバレーが忙しくて無理そう。行きたかったなぁ〜(><)]
奈美(なみ)
[まだ休みが分かんないんだよね!行けそうなら行く〜!来月に入ったら連絡するね♪]
ケイはバラ組の中でも1番早く、18歳で結婚して、今では二児の母。上の娘が始めたバレーボールの当番があるとかで、なんだか忙しそうだ。
奈美は美容師。去年子供を産んだけど、もう職場復帰している働き者だ。ちなみに奈美の旦那さんも、瀬川くんと同じ"教師"である。
「ケイはやっぱ来れないか〜」
結婚、出産、子育てに忙しいケイは、他のメンバーよりも参加率は低い。めずらしい事ではないので紗奈と2人納得する。
「奈美は来れるといいね!」
このときは瀬川くんのこともそんなに大げさに考えていなくて、ただただ同窓会が楽しみでワクワクしていた。
「コウヘイ君は来るのかなぁ。」
私がぼやくと、紗奈がすかさずニヤリ顔を見せる。
「コウヘイ君も来るといいねぇ」
「変な意味じゃないからっ!!なんとなくだよ!」
「はいはい、なんとなくね(笑)」