不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第9章 結婚したら、ときめき禁止?
少しの沈黙の間、私は ”いけない事” をしたんだと改めて感じる。
「…んまぁでも、なんかしちゃったわけでもないし…ねぇ?」
ケイが私の言葉を促す。
「そ、そうだねぇ…。奈美としては、”いけない事”になっちゃいそうな感じがあるの?」
私が聞くと奈美は一点を見つめて紅茶をすすり、なにかを考えている。
「ないとは、言い切れない…。だって、ドキドキしちゃったのは本当だし…会わないほうが良い気もしてるんだよね」
「でもさ、お互い子供の話もしてるわけだし。ミノルくんだって、そんなに節操のない人ではないと思うけどねぇ」
ケイの言葉に、私も同意する。
なにより、奈美はミノル君に会いたいのだと私の勘が言っている…
「まぁ、ちょっと考えてみる。仮にそうなったとしても、私がしっかり自分を持ってれば大丈夫だもんね。旦那も恭介もいるし…しっかりしなきゃ」
「そんなに考え込まずに、とりあえず時間をおいてみたら?
連絡取ってたら、ミノル君の思惑も分かってくるかもしれないしさ」
「うん、そうだね!」