不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第9章 結婚したら、ときめき禁止?
「・・・で。」
ケイが私に鋭い目線を送る。
うわぁ…これはとてもまずい展開かもしれない。
奈美はミノル君となにもしていないのに今から悩んでいるし、そもそも2人とも旦那も子供もいる。
とても言いづらい…。
「どうなの、ミライは」
「二次会、楽しかった?」
2人に聞かれると、私はもじもじしてしまう。
バラ組に嘘はつきたくないと奈美は言った。
私だってそうだ。
でもこれは、瀬川くんも関わっているし私だけの問題ではない…
「あれ?ミライ、ほんとになにかあったの?」
奈美に問われる。
「うーん…えっとね…二次会、楽しかった!
アンナが酔いつぶれて、アンナの彼氏くんが迎えに来てさ~!大変だったよもう(笑)」
てっきり”アンナの彼氏”に食いついてくるかと思った2人は、いぶかしげな表情で私を見ている。
「…え?反応なし?」
「…ミライ、なんかあったね。」
「うん、あったと思う。」
「隠す気かね?」
「どうなんでしょう」
2人は結束して私を煽る。
何もないと言えば嘘をつくことになってしまう。
私は紅茶を飲んで、ハァーと深呼吸した。
その様子を見てケイは
「ねぇ、、そんなにやばい事しちゃったの?」
と、本気で心配し始める。
「うーんと…なにから話せばいいかな…
まぁ簡潔に事実を申し上げますと…
二次会の帰りに瀬川くんとキ、キスをしてしまいました」
2人の反応が怖くて、ついすごく早口で言ってしまった。
一瞬の間をおいて、2人は紅茶をこぼす勢いで
「…えぇーーーーーーーー!!!!!!?」
と大声を出した。
「本当は誰にも言えない事だし、これって浮気だよね。でも奈美と同じで、私もバラ組に嘘はつきたくない…」
それから、事の成り行きやどっちがどうしてとか、事細かに尋問を受けた。
2人は私を軽蔑している様子はなかった。
「引いてるよね・・・?」
私が聞くと、奈美は
「全然」と言って平気そうに紅茶をすする。
「そりゃあビックリはしたけどね」
「私も結婚してから2~3年はさ、色々あったもん。だからなんだか気持ち分かるよ」
とケイが話し始める。