不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第9章 結婚したら、ときめき禁止?
ケイはバラ組で1番最初に結婚も出産も経験している。
「なんか昔ちょっと言ってたよね、旦那さんのこと」
「そうそう。あいつ、結婚前からの遊び相手と結婚してからもしばらく浮気してたんだよ。
でも知ったときにはもう子供も生まれてたし、別れ話にはならなかったね。
今だったら慰謝料取って別れてもいいけどさぁ(笑)」
結婚してからもう12年が経つケイは、ある意味すごく貫禄がある。
「それにね、私も1回だけ恋しちゃったことあったよ。4年前くらい。子供のことが忙しくて、自然消滅だったけどね」
「そうなのっ?!」
「でも、あくまで恋だから。キスはしたけど…
だからミライのことを責める権利は、私にはない(笑)」
笑うケイに、奈美が喋りだす。
「そもそも、結婚したらときめいちゃいけないのかな。
まぁ…キスはアウトだろうけどね(笑)
ときめきなんて誰にも、何にも止められないものじゃない?」
「そうそう。浮気だって人によってラインが違うじゃん。
私、旦那が誰かとキスしても全然大丈夫だよ?」
「え~!ほんとに?」
「いや、ほんとほんと!
風俗とかも、べつに平気かもしんない。
旦那は愛してる人ってより、もう家族なんだよね。
どこで性欲処理してても興味ない。
…ただ、いやな気持ちになるのは”本気のヤツ”かな」
「ほんとに好きな人ができちゃって浮気する、みたいな…?」
「うん。それだと話は変わってくるかな。
お金で成り立ってる性欲処理の関係とは全く違うし」
私と奈美は感心するように「なるほど、たしかに」と頷いた。