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不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―

第11章 打ち合わせ



打ち合わせの土曜日、瀬川くんは早めにこちらに到着しているようだった。


”先に平野と合流して飯食ってる”とメッセージをくれて、時刻はまだ16時を過ぎたところだけれど私も早めに行こうかと準備を始める。


洗面所で髪をとかしながら、ウキウキしている私は
「また奈美に髪の毛やってもらわなくちゃ」
と、つい独り言を口走る。



突然うしろから
「何か言った?」とフミが現れる。


私はビックリしすぎて少しだけ飛び跳ねた。


「えっ?いや、べつになんでもないよ」


「…ふーん。」


実に興味のなさそうな返事をしてリビングに消えていった。

無頓着で鈍感なフミは、なにかを突っ込んでくることがほとんどない。



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12月に入り、本格的な冬服の季節だ。


私はタイツを履いて、丈が短めのセーターを着る。
あたたかいウールの膝丈スカートに足をとおすと、少しお尻のラインが気になる。


太ったかな…とも思ったが、この冬らしいチェック柄が気に入っている。


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打ち合わせ場所の最寄り駅に着いたとき、時刻は18時ちょっと過ぎ。すっかり日は落ちている。


思ったよりも早く着けなかったな…と思いながら、一足先に瀬川くんと平野が到着している居酒屋へ向かう。

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