不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第11章 打ち合わせ
ウィーン…と自動ドアが開いて、まだ静かな店内に入る。
待ち合わせと伝えると、奥の座敷に案内された。
「お疲れ様~!」と入っていくと、6人席に2人が向かい合せで座っていた。
「おう」と短く挨拶する瀬川くん。
「おつかれ~!どうぞ遠慮なく、瀬川の隣に!」
平野から言われ、私は素直に瀬川くんの隣に荷物を置く。
「まだ飲んでないんだよ。ミライちゃん待ってようと思ってさ~!という事で、先に飲んじゃいましょ!」
「綾香ちゃんとコウヘイ君は待たなくてもいいの?」
瀬川くんは呼び出しボタンを押しながら、「まぁ…いいっしょ」と笑う。
3人で乾杯して、楽しかった同窓会の話なんかをする。
「解散したあと、ちゃんとホテルまでミライちゃん送ってあげた?」
という平野の問いかけに、瀬川くんは
「ちゃ~んと送りましたよ。な?」
と私に投げかける。
あの夜のことを思いだしてしまって、私は目を泳がせながら「う、うんうん!送ってもらったよ!」
思ったよりも大きな声で答えてしまう。
そうこうしているうちに綾香ちゃんが到着し、
「みんな同窓会ぶり!ミライちゃん、同じ幹事としてよろしくお願いします」
と可愛らしく言うと、平野の隣りに座った。
すぐにコウヘイ君も到着し、私と瀬川くんが隣同士で座っているのを確認すると綾香ちゃんの隣に座った。