不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第11章 打ち合わせ
その後も綾香ちゃんはめげずにコウヘイ君に甘えていたが、お酒の量が限界に達したのか今はとても眠たそうにしている。
そんな綾香ちゃんの様子を見て
「そろそろ一旦しめますか?」
と平野が言うと、私たち3人は同意した。
会計の伝票が来ると、男3人は当たり前のように私と綾香ちゃんの分を出してくれる。
「え、でも悪いよ。」
「いいのいいの、今日は少人数だし俺らに払わせて」
平野は明るく答える。
「こないだも出してもらっちゃったのに…」
と瀬川くんを見ると、その場が一瞬静まる。
あっ…やばい、つい口がすべってしまった。
「やっぱり瀬川、あれそういう事だったのね~!」
平野が言うと、「代わりに払っといただけだろ、変な言い方やめろ(笑)」と笑った。
店の外に出ると、綾香ちゃんを乗せるためのタクシーを探す。
「綾香ちゃん、大丈夫?ちゃんと帰れる?」
綾香ちゃんは「コウヘイくぅん」、「まだ飲もうよぉ」などと言うが、とてもこれ以上は飲めそうにない。
綾香ちゃんをタクシーに乗せると、彼女は不服そうに手を振って去っていく。
「いやぁ~大変だったね。とくにコウヘイ(笑)」
平野が笑う。
「いや、マジで疲れちゃったよ~~。すげえタッチしてくるし、俺こえぇよ~」
と、おびえながらも皆の笑いを誘う。