不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第12章 関係のないクリスマス?
紗奈は今回のキャンプに来てくれる事になったが、年末という事もあってバラ組では私たち2人だけの参加だ。
[ 明日何時に来る?]
紗奈からのメッセージに、
[ 18時頃には着けるはず!]
と返信する。
クリスマス、特にこだわりがあるわけでもないけれど紗奈と過ごす約束をしたのだ。
お姉さんは看護師をしていて、その日は夜勤でいないらしく紗奈の家にお邪魔する事になっていた。
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19時頃フミが帰ってきて、
「明日紗奈の家に泊まってくるね」
と声をかける。
「へぇ。分かった。けど、なんでわざわざ?
いつもなら何も言わずに仕事で泊まりとかあるじゃん」
やっぱりクリスマスなんて行事は彼の頭の中には無いらしい。
「いや、なんとなくだけどね」
そう言って私はまた仕事部屋にこもる。
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翌日、仕事を済ませ紗奈の家に行くため準備をする。
電車に乗り込みフゥと息を吐くと、携帯が震える。
[ 今日クリスマスって知ってた?(笑)]
突拍子もない文章に吹き出しそうなのをこらえ、瀬川くんからのメッセージを見つめる。
[ 知ってたよ、瀬川くんもしかして今気づいた?(笑)
今、紗奈の家に向かってるところ。
今日は仲良くお泊りだよ~]
[ 今日、生徒に言われて気付いた(笑)
お前らホント仲良いよな!
それより俺はもうすぐ正月休みになるのが嬉しい。
あ、クリスマスプレゼントちょうだい。]
そっか、お正月かぁ。これまた特に予定はないけれど。
それにしても瀬川くんがおねだりなんて、珍しいな…
[ なにがほしいの?(笑)]