不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第13章 キャンプ場へ
車を停めると他の2台に乗っていたメンバーとも合流し、それぞれトイレを済ませたりホットスナックを買いに行く。
外の空気を吸いながら綾香ちゃんを含めた女4人で軽く話していると、自動ドアの前で瀬川くんが小さく手招きしている。私は話を切り上げて、不自然にならないように彼のもとへ向かった。
笑顔を交わしながら一緒に自動ドアを入る。
「運転お疲れさん。コーヒー飲める?」
「瀬川くんも運転お疲れ様。うん、ミルクを多めに入れたのなら(笑)」
「子供か(笑)」
そう言うと瀬川くんがカウンターでコーヒーを買ってくれる。
「ん」
「あ、ありがとう。いつもおごられてばっかりだ。今度ホントにおごらせてよね?」
「楽しみにしとく(笑)」
熱々のコーヒーをふぅふぅしながら2人で自動ドアを出ると、シュウトが走ってきて私に抱っこをせがみ、数メートルうしろではサッちゃんが「こら~」と言っている。
私はコーヒーを一旦瀬川くんに預けてシュウトを抱き上げると、
「アーーアーシュ!ン!ンッ!」
と、コンビニを指差している。
「あっ!シュウト、お菓子買う約束してたもんねぇ~?見に行こっか。瀬川くん、ちょっと行ってくるね」
とコーヒーを持たせたまま私はシュウトを抱いてコンビニに向かった。