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不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―

第17章 学校訪問



「今回お願いしたいのは、瀬川先生からも説明があったと思いますが…誘致PRイベントのリーフレットのデザインをね。」

「はい、伺っています」


学校や町のことを沢山話してくれる校長は、本当にこの町を愛しているようだった。


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すっかり打ち解けると、

「うちの学校は女性の教師がほとんどいないし、瀬川先生以外みんな年配でね。もし良かったら、飾り付けやアーチの位置なんかもアドバイスをもらえると嬉しいんですがね」

校長は、くしゃっと皺の多い笑顔で言う。



「はい、もちろんです。」


それから校内を自由に歩かせてもらい、来客者にどんなルートで回ってもらうか、どこに看板やアーチを設置するかなどを考えながら過ごしていると、いつのまにか夕陽が差し込む時間になっていた。


校舎の窓から見えるその夕陽は、淀みのない真っ赤な色でこちらを見ている。



職員室に戻ると校長と瀬川くんが立ち話をしていて、

「遅くまで、どうもありがとうございます。私は別の会合があるのでこれで失礼しますがね、楽しみにしていますので、ひとつよろしくお願いします。瀬川先生、帰りはしっかり送ってさしあげてね。」


そう言って校長は帰っていった。


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