不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第3章 アンナ、おめでとう
それから少しの沈黙の後…
「それは人によるんじゃない?ウチはウチだし、アンナはアンナだしさ。話聞いてると、フミとアンナの彼も全然ちがうタイプだし!しっかり愛してくれそうじゃない。心配することないよ」
「う〜ん……ふふふ、ありがと。」
アンナは苦笑いをしながらティーカップをそっと置いた。
「そういえば、同窓会にコウヘイ君は来るのかな?ミライ、コウヘイ君のこと好きだったじゃ〜ん!楽しみだねぇ」
「ニヤニヤしすぎ〜。あれは憧れだから!もう30だし、あれはあれ。これはこれ。」
「えっ、意味わかんない(笑)」
「私はコウヘイ君より、瀬川くんに会いたいよ。元気かなぁ。いつのまに紀子と結婚したみたいだし。あぁ〜瀬川く〜ん…」
「ミライと瀬川くんって仲良かったもんねぇ。
っていうか紀子と瀬川くんが結婚したって……あなた一体、何年前の話してるの?(笑)」
「えっ…?!」
頭が混乱する。
だって私はつい最近その話を聞いて、ショックを受けている真っ最中なのに…!
「待って、落ち着いて。
瀬川くんたちはいつ結婚したの?」
「落ち着くのはミライだよぉ(笑)
私もそこまで詳しい事は知らないけど、結婚したのは23くらいだったかなぁ〜。そのあたり!
………って、ミライ?!」
じゃあ…結婚して7年も経ってるって事?!
「ミライってば〜!」
私の顔の前で手を振るアンナ。
私は我にかえる。
「マジですか・・・」
「マジだけど、なんで?いつのまにそんなに瀬川くんに惚れてたの〜?」
「いや違う!惚れてないんだけど、けど…!仲良かったし、なんていうかとりあえずショックで。
…こないだも紗奈にさんざん駄々こねたくらいに(笑)」
「ウケる〜!私の瀬川くん、紀子に取られちゃったー!ってか(笑)」
アンナはおちょくるようにケラケラと笑う。私も笑った。
「まぁ!なんにせよ、同窓会楽しみだし。アンナのおのろけも聞けたし。アンナ、おめでとう!」
「えへへ、ありがとぉ〜う!」
私たちは紅茶のティーカップで乾杯した。
同窓会まで、あと3週間。