不純異性交際(上) ―ミライと瀬川―
第19章 覚悟
もぐもぐとおかゆを頬張る瀬川くんを見ていると、私は我慢ができなくて思わずぎゅっと抱きしめる。
「んぅっ!?ん…何だよいきなり(笑)」
「ごめん、ごめんね…ちょっとだけ…」
抱きついたまま私が言うと、瀬川くんは私の髪を優しく撫でる。
「風邪うつるから…」
「…いいの…」
少しのあいだ瀬川くんの温もりを噛みしめると、彼はまたお粥を食べてから風邪薬を飲んで横になった。
洗い物を済ませて部屋に戻ると、瀬川くんは静かに眠っている。そっと寄り添いながら頬に触れ、起こさないように口づけをした。熱は引いてきているみたいだ。
一安心すると、瀬川くんの寝息に包まれていつの間にか私も眠ってしまった。
---…
ふと目が覚めると、カーテンの隙間から明るい日差しが漏れ注いでいる。
私にはしっかりと毛布がかけられ、瀬川くんの姿はない。
向こうからバタンと扉を開ける音がして、少しするとこちらへ歩いてくる。
シャワーを浴びていたらしい瀬川くんが、肩にタオルをかけた姿で部屋に入ってくると、目が合って「おはよ」と言う。
「んん…おはよう…すっかり眠っちゃった」
瀬川くんはクスリと笑い、
「本当助かった。ありがとう。」
と言いながら、毛布に包まる私に近づいてくる。
「もう大丈夫なの?」
「うん。熱下がったみたいだし身体も軽くなった」
「そっか、良かった………って、瀬川くん?」
瀬川くんはどんどん近づいてきて、顔を隠していた私の腕を強い力でつかんで広げると、私をじっと見つめる。
「……どうなっても覚悟しろ。分かった上で来たんだよな?」
覆いかぶさる瀬川くんを見つめ、私はゆっくりと頷いた。