
くるみの初恋、高校教師。
第13章 くるみの告白
いつものようにからかったつもりの一ノ瀬だったが、
くるみが否定せず頷いたことに驚いた。
「あのね、先生。私、なぜかわからないけど、先生が誘われる姿みて取られたくないって思ったの。
胸がきゅって苦しくなって…
先生…
先生、わたしね・・・」
くるみの目から涙がこぼれ落ちた。
好きという一言が言いたいだけなのに、
そのたった一言でこのあとどうなってしまうのか…
そう思うと言葉が出てこない。
それでも、もうここまで言ってしまった。
後戻りするうまい言葉も見つからないし、先生を他の人に取られたくないと、くるみは覚悟を決めて口を開いた。
「あのね、先生。私、先生のこと、好き…」
