くるみの初恋、高校教師。
第17章 初めてのキス
「ついたよ。」
先生はどこか山の中に連れてきた。
くるみは、暗い山の中で一体なにをするのかと少し不安だった。
「くるみ、こっちおいで。」
足元が暗いので、一ノ瀬はくるみの手を繋いだ。
先生に手を繋がれてドキドキするのと、暗い足元に気を取られるのとで、下を向いて歩いていたくるみ。
先生が突然足を止めた。
「上、見てごらん。」
顔を上げてみると目の前に綺麗な星空が飛び込んできた。
「うわぁ…すごく綺麗…」
街から離れ、周囲になにも邪魔するものはない。見上げれば満天の星が見られる。
こんな綺麗な星空を独り占めできるなんてと、くるみは感動した。
「先生、すごく綺麗。こんな綺麗な星空見せてくれてありがっ…」
そういって振り向きかけたくるみを、先生は後ろから抱きしめた。