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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第7章 記者

だが、起き上がるのは、金髪の男の方が早かった。

「てめえっ、なめやがって」

ナイフを手に、横になってしまった良夫に襲いかかる。

「えっ、ちょっと待った待った待った!」と良夫が叫ぶ。だが良夫は、男に対して叫んだわけではなかった。

良夫が見たのは、激しく吠えながらこちらに向かってくる一匹の白い犬の姿だった。

犬は真っ直ぐ、夕子の車に走っていき、運転席に乗った男に襲いかかる。

「うわっ! やめろ!」

引きずりおろされるように、車から出てくるが、犬は吠えながら離れようとはしない。

夕子は、その隙に車から離れる。

「逃げんじゃねえ」と金髪の男が夕子に向かっていくが、その方向の足元には、ニット帽の男が倒れており、そいつの体に足をとられ、再び転倒。

良夫は、しめたとばかり、他の車の陰に移動し、隠れて靴紐を結んだ。

……と、その時、

「なにをしてる!」と声が。

そこには、二人の警察官が、こちらに駆け付けてきた。

警察官がくると、なぜか、犬も吠えるのを止めた。

金髪の男は、「なんで警察がおるんや?」と顔を引きつらせる。

夕子は、言った。

「あの車には、高速道路等で、あおり運転にあって、止めて電話が出来ない時用のために、緊急で警察に知らせるための非常ボタンがついてるの。さっき、中に押し入った時、そこを押したの」

夕子は笑って、警察官に近寄る

「あの人達に襲われたんです」

警察は、男二人に事情を聞こうとするが、抵抗し、そう簡単には応じようとはしない。

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