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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

「田中さんはどう思います?」

「なにが?」

「東京のお面の人」

「別に……好きにすりゃええ。俺、関係ないもん」

「無関係なんですか?」

「関係ないし、こんなのがいるなんて、今日初めて知ったわ」

夕子は、小さなため息を吐くと、ボイスレコーダーの電源を切った。

「田中さんなら、東京のお面のヒーローのことをなにか知ってるかなと思ったんですが……」

「知り合いとか思ったかもしれんけど、ホンマに知らんねん。お面のヒーローって、こっちはそんなつもりないからね」

「そうなんだ」と夕子は、車のサイドブレーキを解除した。

「田中さん、ありがとうございました。アパートまで送ります」


場所は変わって、良夫が住むアパートの一階。

ある部屋に二人の男性が、感動の涙を流していた。

「三島くん……完成じゃ。とうとう、完成したんじゃよ」

「博士……苦節一週間、やりましたね」

看板の無い研究所の、漠間発明研究所所長であり、博士の漠間と助手の三島くんは、手を取り合って号泣した。

「博士、次こそは売れますよ。画期的な発明になにも言葉が出ません」

「うむ、最後に食事らしい食事をしたのはいつじゃったかのう?」

「博士、豪華な海鮮丼が最後です」

「もう、パンの耳にマヨネーズをつけて食わなくてもいいんじゃぞ」

「博士……、ありがとうございます!」

二人の目の前にあるのは、ほとんど、前回の剣道練習用ロボット、コテ・メンドウジャの土台と変わらない、顔には中世の鎧のような仮面がついたロボットである。

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