テキストサイズ

お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

三島くんは、助手として製作を手伝ってはいたが、漠間がなにを作っているのかは、知らない。

「博士、これはなんのロボットなんでしょうか?」

「よくぞ聞いてくれた、三島くん。惟は、ボランティアの皆さんをお助けするためのお掃除ロボット、その名も、クリーーーンじゃ」

「GReeeeNから取りましたね」

「ネーミングなんてどうだっていいんじゃよ。問題は、中身じゃよ。まず、このボディだ」

漠間は、掃除ロボットクリーーーンの胴体に手を触れた。

中世の鎧兜の頭部に、青いドラム型洗濯機のような胴体。右腕にはUFOキャッチャーのようなアームがつけられ、左腕には、掃除機のようなノズルがついてある。

下半身は、コテ・メンドウジャから引き継ぎの四輪バギーで底にも、掃除機の吸い取り口が取り付けてある。

「まず、これこそロボット掃除機のAIを使用しておる。まあ、前作の使い回しだが、データは埋め変えておる。なので、障害物にはぶつかることがない。頭部はただの飾りじゃが、胴体の正面と下半身の四輪体に数個のカメラが取り付けてあり、空き缶や空き瓶、タバコの吸い殻、その他のゴミまでも認識して吸い取ったり、またアームを使って拾い上げたりもする」

「博士、これはボランティアの方は大喜び間違いなしですよ」

「世の街を見てみたまえ、心の無い者が捨てていったゴミがあちらこちらに落ちているではないか。それを見るたびに、私は心が痛むのだ。空き缶は風に吹かれて転がり、喫煙する者は後先考えずにポイ捨て。しかも火がついたモノを捨てるやつもいる。こんな嘆かわしいことは許せん」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ