お面ウォーカー(大人ノベル版)
第8章 二人目のお面ウォーカー
しばらくすると、扉が開いた。
すると、中から小太りの中年女性が顔を出した。
夕子は、少し顔を引きつらせ、
「あの……こちら、田中さんのお部屋に間違いないですよね?」と聞いた。
女性は、キョトンとした顔で、こくりと頷いた。
夕子は「あの、ご家族で方ですか?」と尋ねると女性は、「あ、私は良夫の叔母にあたるものです」と低い声で言った。
この女性は、良夫の母の妹で、黄木樹鈴(おうきぎ すず)という。
夕子は、ホッとして、階段の方向を指差し、
「あの、田中さんが酔い潰れまして、階段の下で寝ちゃてるんですよ」
「えっ、良夫が? まったく、しょうがない子だねぇ。ちょっと待ってねぇ」
そう言うと鈴は、一旦中に戻ってからすぐに出て来た。
なぜか、手にはお面を持っている。
夕子は驚いて、「え、あ、それって……」
「こいつでパコーンと頭いったったら酔いもさめる。まったく、彼女に迷惑かけるなんて……」
「いや、私は彼女とかでは……」
「よしおーっ!!」
鈴は夕子の話も聞かずに、階段へと向かった。
良夫は階段を塞ぐように、俯せになって眠っている。
「まったく……」と鈴は、だらしなく横たわる良夫を見て、ため息をもらす。
階段を下り、良夫の近くまでいくと、コツンとお面で叩いてみる。
「こら、良夫。どこで寝てんね。そこ寝てたら、誰も通れんでしょ」
良夫はその声を聞いて、目を開いた。
「……へ? 鈴叔母さん?」
鈴はもう一発、お面で叩いた。
すると、中から小太りの中年女性が顔を出した。
夕子は、少し顔を引きつらせ、
「あの……こちら、田中さんのお部屋に間違いないですよね?」と聞いた。
女性は、キョトンとした顔で、こくりと頷いた。
夕子は「あの、ご家族で方ですか?」と尋ねると女性は、「あ、私は良夫の叔母にあたるものです」と低い声で言った。
この女性は、良夫の母の妹で、黄木樹鈴(おうきぎ すず)という。
夕子は、ホッとして、階段の方向を指差し、
「あの、田中さんが酔い潰れまして、階段の下で寝ちゃてるんですよ」
「えっ、良夫が? まったく、しょうがない子だねぇ。ちょっと待ってねぇ」
そう言うと鈴は、一旦中に戻ってからすぐに出て来た。
なぜか、手にはお面を持っている。
夕子は驚いて、「え、あ、それって……」
「こいつでパコーンと頭いったったら酔いもさめる。まったく、彼女に迷惑かけるなんて……」
「いや、私は彼女とかでは……」
「よしおーっ!!」
鈴は夕子の話も聞かずに、階段へと向かった。
良夫は階段を塞ぐように、俯せになって眠っている。
「まったく……」と鈴は、だらしなく横たわる良夫を見て、ため息をもらす。
階段を下り、良夫の近くまでいくと、コツンとお面で叩いてみる。
「こら、良夫。どこで寝てんね。そこ寝てたら、誰も通れんでしょ」
良夫はその声を聞いて、目を開いた。
「……へ? 鈴叔母さん?」
鈴はもう一発、お面で叩いた。