テキストサイズ

お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

「いってぇぇーーっ!」

額を押さえながら、うっすらとした涙目を細めて鈴が持っていた物を見た。

「ちょっとちょっと、それはアカンそれはアカンて……」

酔いで頭が回らなくても、それに対する拒否反応は強く押し出される。

「危険、叔母さんアカンアカン、それはアカン、それは危険やわ」

「あら、やっぱりこれを縦にして叩いたら危ないんかなぁ?」

「危ないとかそんな問題じゃ……いや、問題やわ! 俺が言うてんのは、それで叩くとかやのうて……てか、部屋にどつけるもの他にいろいろあった中で、なんでそれやねん!?」

「なにを言うてんの、良夫。あんた、彼女が来てるのにか、そんなところに酔い潰れてさぁ……あんた部屋に連れ込んで、しっとりイヤ~ンとかするちゃうの」

「なんの話しやねん! てか、俺に彼女いてへんて。もう、その手に持ってるやついい加減に捨てろや!」

良夫は、お面を持つ鈴の手を押しのける。

「よう言うわ、あんた、このお面大切なんちゃうの。私1回あやまってこのお面を、窓から投げ捨ててもうたんやで。私が探しにいったら無かったんやで。それがあるってことは、あんたが拾いに行ったんちゃうの?」

「大切にしてるもんやって言うてるわりには、ようそれで俺をどつくなぁ。てか、なんでいるの!?」

「私はあんたが、不摂生なことしてるんやないやろかって、心配してるんやで。だから、健康に気をつけるようにって、お惣菜を持ってきたんやないの。でも、あんな綺麗な彼女さんいてるんやったら問題なさそうやね。結婚はいつや?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ