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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

「なんじゃと!! まさか、落ちているものと手にしているものとの区別がついていないのか?」

「そんなはずはございません。人工知能には、アルミ缶とスチール缶、サイズや形も覚えさせております。もちろんペットボトルまで、落ちているものを見極めるようにしております」

「ならば、なんらかのエラーが生じとる。まだ試運転でよかった。そのご婦人にコーヒーを買い換えてお渡しするのじゃ」と漠間は、小銭入れから150円を出し、三島くんに渡した。

だが、クリーーーンは次のゴミを探しに、走り去ってしまった。

「三島くん、追うのじゃ!」

「待ってください、まだ缶コーヒーを買ってません」

三島くんは、慌てているのかスムーズに小銭を自動販売機に入れられない。

良夫が、鈴に近寄る。

「叔母しゃ~ん、だ、ら、らいじょ~ぶかぁ~」

「あんたが大丈夫かやわ、びっくりして一瞬腰が動かんようになっただけ、ちょっと立たせて」

良夫はフラつきながら手を出すが、後から下りてきた夕子も手を貸す。

「おばさん大丈夫ですか? 田中さん、私はおばさんを部屋に連れて行きますから、あのロボットを追ってください」

「よっしゃわかった」

良夫は、なにがわかったのかがよくわかってなかったが、フラフラと千鳥足で歩いていった。

夕子の肩を借りていた鈴が、「大丈夫だから」と自分の足で立つと、階段の下に転がっているお面を指で示す。

「あれ、あの子の大事なものだから、拾ってきてもらえる?」と夕子に言った。

夕子は、階段を下り、お面を手に取った。

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