お面ウォーカー(大人ノベル版)
第8章 二人目のお面ウォーカー
その行為が、若者の怒りを買った。
「おい、なにしやがんだ!!」
その声に反応したのか、クリーーーンの胴体から、プシューッと煙が上がり、《ポイステハ、イケマセン》と音声が流れた。
若者三人が、声を上げて驚いている隙に、クリーーーンはその場を去っていった。
夕子は助手席にお面を置き、車で良夫を探す。
「ええー、フラフラとしながらどこ行っちゃったのぉ~、お面をつけなきゃいけないんじゃないの?」
探しても見付からない。夕子がいる場所から、かなりの後方で、良夫は冷たいアスファルトの上でうつぶせで冷やされている途中だ。
そこに、チャッチャッチャと爪の当たる音を鳴らし、一匹の犬がやってきた。
その犬は、飼い主から脱走した、元麻薬犬で、「リック」という名の犬だった。
リックは電柱の横にいる良夫を見かけると、匂いを嗅ぎ、前足で背中を押さえる。
だが、良夫はビクともしない。
リックの耳が立った。
なにかを閃いたのだろう。リックは、右後ろ足を上げ、良夫の頭に小便を引っ掛けた。
滝のように落ちる犬の小便を、頭に受けながら、
「ふぃ~、あったけぇ~、いい湯だな……て、くっせぇーーっ!!」
起き上がった。
「うわっ、くっせぇーーくっせぇーーくっせぇーーっ! なにしやがんだ、クソ犬!」
リックは、冷たい道の上で寝ていると凍死する危険性があることを知っていたため、無理矢理にでも良夫を起こしたのだ。
「おい、なにしやがんだ!!」
その声に反応したのか、クリーーーンの胴体から、プシューッと煙が上がり、《ポイステハ、イケマセン》と音声が流れた。
若者三人が、声を上げて驚いている隙に、クリーーーンはその場を去っていった。
夕子は助手席にお面を置き、車で良夫を探す。
「ええー、フラフラとしながらどこ行っちゃったのぉ~、お面をつけなきゃいけないんじゃないの?」
探しても見付からない。夕子がいる場所から、かなりの後方で、良夫は冷たいアスファルトの上でうつぶせで冷やされている途中だ。
そこに、チャッチャッチャと爪の当たる音を鳴らし、一匹の犬がやってきた。
その犬は、飼い主から脱走した、元麻薬犬で、「リック」という名の犬だった。
リックは電柱の横にいる良夫を見かけると、匂いを嗅ぎ、前足で背中を押さえる。
だが、良夫はビクともしない。
リックの耳が立った。
なにかを閃いたのだろう。リックは、右後ろ足を上げ、良夫の頭に小便を引っ掛けた。
滝のように落ちる犬の小便を、頭に受けながら、
「ふぃ~、あったけぇ~、いい湯だな……て、くっせぇーーっ!!」
起き上がった。
「うわっ、くっせぇーーくっせぇーーくっせぇーーっ! なにしやがんだ、クソ犬!」
リックは、冷たい道の上で寝ていると凍死する危険性があることを知っていたため、無理矢理にでも良夫を起こしたのだ。