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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

「二人がかりで、中年男性一人を押さえるって、見過ごせないなぁ。オヤジ狩りって、古いことやってねえで、帰ってバラエティでも見てろよ」

そう言いながら、街灯のあたるところまで、その声の主は現れた。

「はぁ!? なんだよてめぇ!」

現れたのは、白い長袖Tシャツとジーパン姿で身長185センチほどの、ガッシリとした体格の男だ。ただ、その男の顔には、黒い狐のお面が被せられていた。

「兄さん達、そろそろ手を放してやんなよ」とお面の男は、三島くんを捉えている男二人それぞれの肩に手を置いた。

肩を揉むように掴むと、二人の男は、「イテテテテテっ!!」と、三島くんから手を放し、膝をついてしゃがみ込んだ。

「おじさん、逃げな」

お面男はそう言うと、三島くんは二人から少し離れ、

「しかし、僕の財布が……」

「そうでしたね」

お面男は、二人の男を左右に引き離し、間を開けると、正面の男の財布を持つ手首を握る。

「イテテテテテ!!」と悲鳴を上げる、若い男。

「素直に、あの男性にお金と財布を返してやれ。ハイと言うまでこの手は締め続けるぜ」

「返す返す返す返す、だからはなせ!!」

苦痛に顔を歪め、男は財布とお金を地面に落とした。

三島くんは、急いで拾い集める。

その背後から二人の男が立ち上がり、お面男に襲いかかる。

「甘い、やる事なす事丸わかり」とお面男は、回し蹴りの要領で、右足一本で二人を蹴り倒した。

「話は聞いていた。吸ってたタバコを奪われただ? 受動喫煙防止策でこの辺一帯は、禁煙区域のはずだ。町にはもう灰皿なんて用意はされてない。そもそも歩きタバコだったんじゃねえのか? だったらお前達が悪い。どうせ、ポイ捨てしかしねぇんだろ?」

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