お面ウォーカー(大人ノベル版)
第8章 二人目のお面ウォーカー
「てめえには関係ないだろ!」
腕を掴まれている男は、お面男の手首を掴み、ゆっくりと立ち上がり、「いい加減放せっ!」とお面男の、左太ももを蹴りつけるが、お面男は一言も洩らさない。
「その程度の蹴りか? 中途半端に蹴られると痒くなるんだよ。本物の蹴りはこうだ」とお面男は、相手の太ももに蹴りを入れる。
鈍い音と共に強烈な痛みが足から脳に走り、悲鳴を上げる前に、息が詰まる。声にならない声を捻り出し、足を押さえてうずくまる。
お面男は、後の二人に近寄る。
「まだやる?」と拳を突き付けると、
「やりません」と二人揃って言った。
三島くんは、お面男の前に、土下座をする。
「ありがとうございます……いい年してなにも出来なかった自分が恥ずかしいです。助かりました、本当にありがとうございます」
お面男は、顔のお面のズレを直し、
「おじさん、土下座なんてするな。てか、する必要ないよ。そりゃ、あんなのがよってたかって来りゃ、そうなる。最近のガキはなにするかわかんねえし、当たり前の話も通じねえから、力で捻じ伏せるしかねぇんだよ。もう立ちな」と手を差し伸べる。
「力強い手に、私みたいな凡人が手を出すなんて、もったいないですよ」
「人間に、凡人も偉人も関係ねぇ。俺にとっちゃ、ホームレスの人だろうが、皇室の偉いさんだろうが、同じ人だ」
そう言って、手をかして、三島くんを立たせた。
お面男は、「しかし、大阪は寒いなぁ。異常気象なのか? 東京とは違うなぁ」と体を擦った。
腕を掴まれている男は、お面男の手首を掴み、ゆっくりと立ち上がり、「いい加減放せっ!」とお面男の、左太ももを蹴りつけるが、お面男は一言も洩らさない。
「その程度の蹴りか? 中途半端に蹴られると痒くなるんだよ。本物の蹴りはこうだ」とお面男は、相手の太ももに蹴りを入れる。
鈍い音と共に強烈な痛みが足から脳に走り、悲鳴を上げる前に、息が詰まる。声にならない声を捻り出し、足を押さえてうずくまる。
お面男は、後の二人に近寄る。
「まだやる?」と拳を突き付けると、
「やりません」と二人揃って言った。
三島くんは、お面男の前に、土下座をする。
「ありがとうございます……いい年してなにも出来なかった自分が恥ずかしいです。助かりました、本当にありがとうございます」
お面男は、顔のお面のズレを直し、
「おじさん、土下座なんてするな。てか、する必要ないよ。そりゃ、あんなのがよってたかって来りゃ、そうなる。最近のガキはなにするかわかんねえし、当たり前の話も通じねえから、力で捻じ伏せるしかねぇんだよ。もう立ちな」と手を差し伸べる。
「力強い手に、私みたいな凡人が手を出すなんて、もったいないですよ」
「人間に、凡人も偉人も関係ねぇ。俺にとっちゃ、ホームレスの人だろうが、皇室の偉いさんだろうが、同じ人だ」
そう言って、手をかして、三島くんを立たせた。
お面男は、「しかし、大阪は寒いなぁ。異常気象なのか? 東京とは違うなぁ」と体を擦った。