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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

三島くんは何度も、「助かりました。ありがとうございます」と頭を下げる。

お面男は去っていく、若者三人の背中を見ながら、

「おじさんさぁ、歩きタバコだめですよって注意するくらいならいいけど、相手が吸ってるタバコを奪っちゃいけない。そりゃ、向こうも怒るわな。まあ、やつらがおじさんの金奪おうとしてたから助けたけど、おじさんにも責任あるぞ。気をつけて」と言った。

どうやら、お面男は、三島くんが若者三人のタバコを取り上げたと思っているらしい。

「いや、そうじゃないんです。あの三人のタバコを取ったのは、うちが開発した清掃ロボットなんです」

三島くんが言うと、お面男は体を擦りながら、

「ロボット? ロボット作ったの? 見たいなぁ」

お面男は、興味を抱いたようだ。

「はい、本来は、清掃ロボットですので、町を掃除するのに、タバコや空き缶、空き瓶、ペットボトルや、その他のゴミなどを拾うようインプットしたんですが、なにを間違えたか、まだ吸っているタバコまで取るようになってしまいまして」

三島くんは、唇を噛み締める。

「なるほど、て、ことは結局揉め事の発端は、突き詰めればあんたじゃないか。だったら、早くロボット見つけて止めなよ」

「すいません、早く見つけてきます」

三島くんは、一礼をすると、クリーーーンが行きそうな、表通りに向かっていった。

そこに、どこかに車を止めたのか、夕子がやってきて、三島くんに声をかける。

「ちょっと、ロボットは反対方向の車道にいたわ。たぶん、公園の方向に行くんじゃないかしら?」と情報を提供すると、三島くんは、「ありがとうございます」と教えられた方向へ、向かった。

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