お面ウォーカー(大人ノベル版)
第8章 二人目のお面ウォーカー
良夫は、どうせ高野豆腐に絹さやとニンジンと干し椎茸を煮込んだものだろう……と冷蔵庫を開けた。
その通りだった。
「叔母さん、ちょっとは捻ってくれよ」
「なにを言うてるの。そう言うたら、さっき彼女があんたにお面を渡す言うて、出ていきはったで。彼女に会うたんか?」
鈴は、夕子のことを言っているのだろう。
「彼女って? あの記者の人か。だから、あれは……」
「あのお面が、あんたにとって大事なもんやから、届けてくる言うて、走っていきはったで」
「あのお面、そんな大事なもんやないし。どっちか言うたら邪魔なだけや。あの姉ちゃんも、見付からんかったら、またうちに来るか、諦めて帰るやろ」
そう言って、まだ温かい缶コーヒーを飲み干す。
「あんた、この時間に女性一人やで。ただでさえ、この辺り物騒や言うやないの。なにがあるかわからへんし、行ってあげなさい」と鈴は良夫に、会いにいくことを促す。
「いや、俺は酒飲んでて、フラフラなんよ。やっと帰ってきたのによぉ~」
「今ごろあんたのこと、待ってはるよ」
「待ってへんて。てか、すれ違ってもいないし、どこに行ったかもわからんがな」
それは、電柱の陰でうつぶせに倒れていたため、クルマに乗っていた夕子からは見えてなかっただけである。
「行ってあげなさい。さもないと、中1の頃のトラウマを甦らせるわよ」
「不思議だ。急に酔いがさめてきた。行ってきまーす」
良夫が中1の頃に、何があったのだろうか?
その通りだった。
「叔母さん、ちょっとは捻ってくれよ」
「なにを言うてるの。そう言うたら、さっき彼女があんたにお面を渡す言うて、出ていきはったで。彼女に会うたんか?」
鈴は、夕子のことを言っているのだろう。
「彼女って? あの記者の人か。だから、あれは……」
「あのお面が、あんたにとって大事なもんやから、届けてくる言うて、走っていきはったで」
「あのお面、そんな大事なもんやないし。どっちか言うたら邪魔なだけや。あの姉ちゃんも、見付からんかったら、またうちに来るか、諦めて帰るやろ」
そう言って、まだ温かい缶コーヒーを飲み干す。
「あんた、この時間に女性一人やで。ただでさえ、この辺り物騒や言うやないの。なにがあるかわからへんし、行ってあげなさい」と鈴は良夫に、会いにいくことを促す。
「いや、俺は酒飲んでて、フラフラなんよ。やっと帰ってきたのによぉ~」
「今ごろあんたのこと、待ってはるよ」
「待ってへんて。てか、すれ違ってもいないし、どこに行ったかもわからんがな」
それは、電柱の陰でうつぶせに倒れていたため、クルマに乗っていた夕子からは見えてなかっただけである。
「行ってあげなさい。さもないと、中1の頃のトラウマを甦らせるわよ」
「不思議だ。急に酔いがさめてきた。行ってきまーす」
良夫が中1の頃に、何があったのだろうか?