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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

「もう一つの理由?」

夕子が聞くと、二郎の口から驚くべき話題が飛び出した。

「大阪にも、俺と同じお面をつけて犯罪者を捕まえる男がいるんだろ。そいつに会いたくてね」

大阪のお面の男、夕子はすぐに田中良夫だとわかった。

しかも、手元にはその良夫のお面がある。

夕子は、その方ならすぐ会えると、二郎に告げると、

「えっ、本当か!? どこにいる?」

ハッキリとは見えない二郎のサングラスの奥の目が、輝いているように感じた。

夕子は、言った。

「あ、ほら、あの人がそうです」と車の前を指差した。

たまたま、タイミング良く、コインパーキングの外を、フラフラと歩く良夫の姿があった。

二郎は、サングラスを外し、

「え、どの人?」

外には、いま良夫しか歩いていない。その容姿から、良夫がお面の男だとは思えなかったのだ。

夕子は良夫のお面を出す。

「あの方と、知り合いなんです。なぜかわからないけど、いまあの人のお面を預かってまして」

二郎は、そのお面を見て前のめりになる。

「あ、これだ! これ、ケータイニュースで見たやつだ」

夕子は、車の扉を開ける。

「田中さーん、お面届けにきましたよーーっ!」

良夫はその声に気が付き、辺りをキョロキョロと見回すと、すぐに夕子の車を見付けた。

「ああ、いたいた。よかったぁ、いまお面をもらわないと帰れないんよ」

そう言ってお面を受け取りに、夕子に近付く。

ふと、その助手席に座る、男性の姿を見て良夫は愕然とした。

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