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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

「どうやったら止まんねん。水とかかけたらアカンのか?」

「雨の日でも清掃活動出来るように、徹底した防水加工をされております」

「いらん性能を施すな!」

「僕が作ったんじゃないですよ! 博士が作ったんですよ」

三島くんは、ほんのわずかだが尊敬する漠間を裏切った。

「じゃあ、どうやったら止まるんや? なんか方法は?」

そう聞かれても、三島くんは止めかたを忘れてしまったため、どう答えていいのかわからなかった。

「いやぁ、たぶんバッテリーが切れるまでは……」

「バッテリーは、どのくらいもつの?」

「10分充電すると、約15時間の省エネタイプで」

「それにしたら、馬力ありすぎだろ!! 警察呼べよ!」

「警察を呼んだら、博士が捕まってしまいます」

「いや、もう誰かが呼んでるかもしれんがな。こりゃ、警察来る前に、あんた責任持って止めるしかあらへんで」

言い合っている間に、クリーーーンがこちらに向かって来る。

良夫は咄嗟に、三島くんを押し出した。

「うわぁっ、なにするんすか!?」

「チャンスやで、あんたが止めなはれ」

良夫は、三島くんを盾にして後ろに隠れる。

「わわわわ、クリーーーン止まれ、止まりなさーい」と三島くんは、クリーーーンに語りかける。

その時……、

『カランカランカランカラーン』

缶コーヒーの空き缶が転がった。

良夫は、慌ててポケットを押さえる。

「えっ、あっ!?」

これはアパートで、叔母の鈴からもらった缶コーヒーだ。

飲み終わった後、捨てる所に困り、ポケットに突っ込んでいたのが、落ちたのだ。

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