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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第8章 二人目のお面ウォーカー

「あ……」

良夫は、恐る恐る前を見る。

三島くんを通り越して、すぐ近くまでクリーーーンが来ている。

良夫は、「あははは、どうも」と言いながら、その空き缶を拾い上げた。

「ゴミはちゃんと、指定されたところに捨てるべきてすよね」と空き缶回収のボックスを探す。

だが……、

《アキカンノポイステハ、イケマセン》となぜか、クリーーーンが迫ってくる。

「いや、いま拾ったやないか!」と良夫が、三島くんの方へと近寄る。

「あれは、どうなっとんねん! ちゃんと拾ったやん」

「データ入力ミスで、誤って捨てた後、拾う行動が理解出来ないようで」

「ちゃんと試験してから、世に出さんかい!」

「大丈夫です、人に危害は加えません」と三島くんは言うが、クリーーーンのマジックハンドのような腕には、どこから見付けたのか、ほうきが握られている。

それはまるで、剣道で竹刀を持っているようだった。

三島くんの顔が、暗がりの中で青ざめる。

「まさか……前回のコテ・メンドウジャの時の記憶のデータが消去されてない?」

クリーーーンは、そのほうきを良夫に突きつける。

良夫のお面の下の顔は、強張っていた。

「ちょっと、武器はやめなさい。暴力はダメよ……」

少しずつ後ずさりをする良夫に、同じ速度でクリーーーンが詰め寄る。

クリーーーンの後ろから、三島くんが、

「お面の人、そのまま相手をしていて下さい」

「はぁ!? いやいや、俺、そんな危険な役目なん?」

「いえ、その間に、電源ボタンを切りますから」

「そんなんがあるんなら、先に押せ!」

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